オンラインシンポジウム「海洋利用と生物付着の制御」【終了】

2020年度日本付着生物学会オンラインシンポジウム「海洋利用と生物付着の」は無事終了いたしました。ご参加の皆様, 並びに開催にあたりましてご尽力賜りました皆様, ありがとうございました。

概要
  海洋の利用は、古来より人と物の流通にとって欠かせない海運に加え、近年では洋上風力発電や魚類の海中養殖など多岐にわたり、人類に恩恵を与えている。一方、船舶にフジツボ類など付着生物が付着し運行機能の障害となる「生物汚損」は古くて新しい問題であり、洋上風力発電施設や海中養殖施設の網に対しても様々な機能低下を生じさせる。汚損生物を防除するために、防汚塗料の開発など歴史的に様々な対策が講じられてきたが、その対策が海洋環境に与える影響への懸念もクローズアップされている。そこで、近年の海洋利用と開発の拡大に伴い、海洋環境に配慮した「生物汚損」制御が必須の課題となっている。本シンポジウムでは、海洋利用や開発に伴う生物汚損の現状を整理し、その対策技術の最新の知見を展望する。また、国際規模での制御に関する動向にも言及し、今後、海洋利用や開発に際してこの問題にどう対処するかを考える機会としたい。
  海洋利用・開発に携わる者、防汚技術開発及び関連基礎研究に携わる研究者の有意義な情報交換の場にしたいとも考えている。

基調講演者と講演内容
・野方靖行(電中研)
汚損生物としての付着生物に関する最新情報と問題提起
・中田英昭(長崎大学名誉教授)
洋上風力発電にともなう沿岸海洋の生態系影響:付着生物研究の視点から

セッションおよび講演者
(1) 汚損実態とその予測
・澤秀樹(株式会社日本海洋科学潜水事業グループ)船体汚損、水中船体清掃
・経塚雄策(長崎大学)平戸瀬戸における試験板を用いた付着生物調査について
・鶴岡比呂志(日本水産)大規模沖合養殖の技術開発と生物付着への対応
・大谷道夫(大阪市立自然史博物館)海の外来生物-その侵入過程と今後の対応について―
・眞道幸司(海洋生物環境研究所)海洋設置設備・構造物の汚損実態と防汚対策
(2) 防汚技術開発(防汚塗料を中心に)
・北野克和(東京農工大)新規防汚化合物の開発
・島田守(日本ペイント)船底防汚塗料開発における最近の動向
・山下桂司(セシルリサーチ)付着制御と新規防汚素材の開発
(3) 防汚塗料の環境影響、性能評価、国際動向
・大地まどか(東京農工大)海洋生物における船底防汚物質の毒性影響
・北村徹(日本NUS)船体付着による生物移動の制御に関する国際動向
・小島隆志(海技研)船底防汚塗料の防汚性能評価試験法
総括
・南清和(東京海洋大学)シンポジウム総括~海洋付着生物への新たな認識に向けて~


このブログ記事について

このページは、adminが2020年12月 1日 12:00に書いたブログ記事です。

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